三国峠はトイレがあるので、野グソを免れる。

バイクのバックに見えるのが金峰山。今度は登りたい。

朝見てもヤッパリナイスな野宿ポイント。

やましたあきかず
 1980年生まれ バイク、スポーツ、
アウトドアー雑誌のモデル業をやりな
つつ、旅に出ては遊びほうける日本で
類を見ない遊び人。
                   (写真提供:ストバイ

夏の終わりに避暑を求めて

  8月も終わり頃、山梨県の西湖へカヤックをしに出かけた。
 そのついでに、また旅に出る事にした。
 せっかく、山梨に行くのだから、ぐるっと回って山を観に行こう。そして、林間のダートを走ろうと決めた。
 
 世田谷レーシングのゼネラルこと大山マキオさんはこう言った。「モトクロスは、仕事でも遊びでもない、自分にとっての
ライフワークなんですよ。」
  ステキな考えだなって思った。

 ボクにとって「旅」はライフワーク。そして、林道ツーリングは自分探しの旅だ。

 西湖畔で、のんびりとカヤックをして、温泉に入り疲れを癒したら、外はもう真っ暗だった。街灯なんてない山奥は、
 バイクのヘッドライトと、後は感覚で路面や中央線を捕らえるしかない。

 地方の道は、一本間違えると、そのまま目的地と全く異なった場所に出てしまう。
 地図を頼りに、西湖から八代町辺りまで、県道を走る。夜の山道は心細いが、遠くに、甲府市街灯りがキラキラと見える。下りが多い道なので、時々クラッチを切りながら、ノーアクセルにしても車体の重さだけでスピードが出る。

 国道20号線、いわゆる甲州街道を横切り、411号線で塩山市に向かう。川上牧丘林道の手前の山で野宿かな?と考えてコ
ンビニでブラックの缶コーヒーを飲みながら地図を見ると、水ヶ森林道というのが西にある。

「何かの雑誌か、本かで見た事のある名前だな。」

 ちょっと遠回りだけど、行ってみよう。っと一人旅だと、旅程を一気に変えられるのも良い。もともと、ほとんど旅程なんて、
決めてなかったけど。

 ボクは、奄美大島への林道ツーリングをしに行ったばかりで、その後遺症に悩まされていた。あんなに壮大な景色を魅せ
られたら、旅に出たくてしょうがなくなるのは当たり前だ。
 旅でもらった病気?はやっぱり旅で処方しましょう。

 水ヶ森林道まで着くと、入り口部分からしばらく舗装路になっていた。夜も暗くなって、標高も1150m近くあるので、冷える。
 夏だというのに、ジャケットを着て走った。ナイトライドは色々と不安が募ってくる。

道が違ったらどうしよう。この先に野宿ポイントはあるのだろうか。
 舗装路の横に少し野宿ポイントがある。
 っとバイクのヘッドライトを頼りテントを張る。灯りがあるところには虫が
寄るので、虫との闘いにもなるが、ガソリンが無くなってバイクが止まる。
 一瞬、真っ暗の時間があったが、リザーブタンクに切り替えて、今度は
ザックからヘッドランプを取り出して頭に付けて作業。

 テント張りもだいぶ慣れてきたものだ。

 この調子だと朝は相当冷えるかも。
 シュラフとシュラフマットも敷いて寝ることに。
 待てよ?明日は川上牧丘林道まで行くけど、
 ガソリンが間に合うのかな?

林道の入り口に着いたのは夜22時頃。

 そして、出発する。朝ごはんを買うのを忘れていたから、急がないと腹減った〜。
 水ヶ森林道は、最後にちょろっとダートがあるだけで、前半はほとんどアスファルトという魔の手が伸びていた。

フラットで走りやすいダート。結構気持ちの良い道。

 

標高があるので、眺めも良い。壮大な山々が見られる。

 水ヶ森林道から、クリスタルラインを東に向かい、北へ山を登っていくと、川上牧丘林道に入る。山梨側は全面舗装路だが、
くねくね道は山を登っている感じがして良い。
 大弛峠は、標高2360m。涼しいというよりは、やや肌寒いくらい。避暑地として選ぶならココでしょう。

 空は突き抜けるように青く、雲がキレイだった。バイクや、車で来られる、日本最高地の車道の峠はここ大弛峠。
 
 ここに行きたかった。

高山の木々が立ち並び青空とのコントラストがキレイ。

 この後は、ガレガレのちょいハードな道が続いて、しかも下りなので、気を抜けない。大荷物を持っているので、飛ばすというよりは
トレッキング感覚。下りはそれなりに技術がいるけど、道は広いので楽しめる。

大弛。秩父多摩甲斐国立公園になっている。

写真では分かりづらいけど、傾斜がある。

 川上牧丘林道を抜けると、川上村に着く。ガソリンが間に合うかだけが心配だったが、SL230は、地方ではリッター30kmは軽く
越えるくらい燃費の良いバイクだってことに改めて気づかされた。
 でも、止まったらゲームオーバーなので、川上村ですぐにガソリンスタンドに入った。
その後、お店を見つけて朝食にパン二個とコーヒー。
 そこで、オフローダー三人組みと出会う。帰りがけに広河原逆川林道がオススメだと教えてもらい、そっちに行こうと決めた。
 平日なのに、オフローダーは結構見かけた。
 
 林道ツーリストは減っているけれど、コアなファンも居るんだなと思った。自分もその一人だが。
 
 川上村から、三国峠へ行く。三国峠は、長野県、群馬県、埼玉県のちょうど真ん中にあるのが名前の由来。そこから、ダート
17kmの中津川林道へ。
 中津川林道は都内からのアクセスがよく、オフローダーに人気の林道だが、夜間通行止になるのと、冬季は走れないらしい。
 標高があるから雪が積もるためなのだろう。
 平日なのに、車やバイクがよく通っていたので、土日はもっと居るんだろうと想像できる。フラットで気持ちよく走れて、なおかつ
景観も良い。初心者オフローダーには一番良いかも。

 中津川林道は途中にも、埼玉側にもキャンプ場があるし、道の駅
に温泉もあるから、埼玉側から入って、三国峠まで行って折り返して
温泉に入るっていうルートでも良いと思う。


 途中の沢で、顔を洗うと、川の水が気持ち良いくらい冷たかった。
 なので、ハミガキもさせて頂いた。中津川アリガトー。

 ちょっと曇ってきて、雨が降りそうな予感もしたので、帰路を急ぐ
ことにした。
 
 林道を走ると、SL230も喜んでいるのが分かる。
 ダートはやっぱり楽しいのだ。

 ちょっと走ると天然のトンネルが現れた。まるで、洞窟のような
イデタチに少々足を止めて眺めてみた。
 オトコらしいゴツゴツ岩でカッコイイ!

 写真を思わず撮ってしまった→

国道140号線で長瀞方面へ行く。210号線と140号線のぶつかるところ。

 ちょっとガスってきたのと、140号線を走ってポツポツと降ってきたので、ヤバイかな?と思ったけど、山から下りてきて暑かったので、
ちょうどよく気持ち良かった。車も通っていたけど、ストレートな道なので、ものすごく気持ちよく飛ばせます。制限速度は守ってます。
 ・・・たぶん。

 帰りには教えてもらった林道広河原逆川線を通ることに。
 読み方は、りんどうひろがわらさかがわせん。
 
 滑舌よくないとうまく言えないじゃない。
 チャレンジする人は早口で言ってみましょう。

 ここは展望もきいて、先客が何人か居た。
「どこから来たの?」

「東京です。」

「ここからどうやって帰るの?」

「名栗湖らへんを通って・・・。」あんまり道決めて
なかったので返答に困ったけど。

 バイクのことを聞かれたりして、
バイクは最高ですよ。と応えました、正直にね。
 聞くところによると、先客のうちの一人は世田谷の近所に住んでいることが判明。なぜ、林道広河原逆川線で出会ったのだろう?
 不思議なものだ。

 旅に出ると、自分探しだー。と言い聞かせてあれやこれやと考えるのだけど、自分の方向性とか考えなくちゃいけないのに、
景色に圧倒されてしまうのも事実。

 ただ言えることは、旅に出て人は成長するってこと。コレは間違いない。
 悩んでいた事もちっぽけに見えるし、自然と接すれば都会での生活が有難いことにも気づく。

 そうして、また旅に出たいという病気が悪化したのだった・・・。

−おわり−

取材・文・撮影=山下晃和 

これは天然のトンネル。岩の洞窟。お気に入りの写真。

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林道広河原逆川線の看板。

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